瀬戸内海交易にとっても
現在放送中のNHK大河ドラマ『軍師官兵衛』を観ていてふと思ったことがあるので記してみたい。
このドラマでは、今のところ大阪湾を挟んで織田側と毛利側に分断される播磨が舞台となっている。奇遇である。何故ならば、図らずもこのドラマが現在の国際情勢を暗に反映しているからである。不思議なことに、織田と毛利に分裂する播磨が、EU加盟派と親露派に分裂するウクライナに見えてくるから歴史は面白い。
戦国時代、天下統一を目論む織田信長にとっての最大の難敵は、実は戦国武将ではなく本願寺であったらしい。当時の本願寺は大阪湾に突き出た上町台地の石山に城郭を築き、多くの武将が羨むほどの富を得ていたそうである。のみならず、その兵力は相当手ごわかったらしい。攻略するのに十年も時を費やしたというから、攻める信長も抵抗を続ける本願寺も、その執念は計り知れない
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ところで、領国を持たぬ本願寺が、何故武力に屈せず
卓悅Bioderma富むことができたのか。その理由は本願寺の立地条件にある。大阪湾に突き出た石山は天然の要塞であり、瀬戸内海で運ばれる物資の陸揚げにも格好の場所である。そもそも、一向宗本願寺は、瀬戸内海各地に数多くの門徒を抱えていた。多くの門徒から集められた物資が、瀬戸内海を行き来する一向宗門徒の村上水軍を通じて寄進されていたことは十分考えられる。つまり、この場所は軍事的に見ても、瀬戸内海交易にとっても、最も好都合の場所だったのであ。
織田信長は本願寺を羨望した。何としてでも石山の土地を本願寺から奪い取りたかった。大阪を手に入れれば、海のシルクロードである瀬戸内海の覇権も手に入る。西国攻略の足がかりができる。一方、西国諸国を掌握する毛利家にとっても本願寺は無視できない存在である。領民に多くの門徒を抱える毛利にとって、本願寺を敵に回すことは領内に内紛を招くことになる。むしろ、本願寺を援助する事こそ領内の結束を磐石にし、信長の西国への野心を食い止めることができる。
一方、ウクライナにあるクリミア半島はどうであろう。黒海に突き出たクリミア半島は、その入り組んだ地形に数多くの良港を持ち、軍事においても交易においても格好の場所である。何より、ロシアは広大な国土を持ちながら地中海に面していない。ロシアが地中海に進出する為には、是が非とも黒海を横断してボスボラス海峡を抜けなければならない。ロシアにとっての地中海は、信長にとっての瀬戸内海と同じである。ロシアが必要な黒海は、信長が必要な大阪湾と同じである。ロシアが欲しがるクリミア半島は、信長が欲しがる上町台地と同じなのである。
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