2015年06月11日
その願いが叶えられ
ギリシャ神話の登場人物は、何と言っても個性派ぞろい。
個性派の一人、
キプロスの若き王であるピュグマリオンは、
若いが彫刻の名手。
この王、お妃を娶(めと)らずにいたせいで、
女嫌いとも噂されていたが、彼が彫るのは決まって女性像。
独身だったのは、
完璧な、身も心も美しい女性を求めていたが、
彼の思いに叶う女性はいなかったせいでもある。
そんな、ある日、
理想の女性とするガラテアを彫刻した。
それは、非の打ち所ない美しい女性に仕上がった。
彼は、その大理石の女性像に恋心を抱く。
そして、愛と美の女神アフロディテに願い、
この大理石の女性像に命を吹き入れてくれることを願った。
その願いが叶えられ、
生命を与えられ、このガラティアを妻とした。
という話。
劇作家バーナード・ショーは、この神話をベースにした
戯曲、『ピグマリオン』を書いた。
それを映画版に改編したのが、
オードリ・ヘップバーン主演で大ヒットした『マイフェアレディ』。
次第に身も心もかわっていく女性、ヘップバーン扮するイライザに、
心魅かれていくヒギンズ教授は、
ガラテアを彫刻し、心ひかれていくピュグマリオンそのもの
ということになるだろう。
自分が打ち込んだものが、
理想した通りの美しい姿に変わっていく。
そして、それに魅かれていく。
そうあるべきだが、
今の政治に置き換えてみると、
政権にある人が奮った日本を創るという彫琢(ちょうたく)の斧は、
うまく日本を彫り上げ、
惚れ惚れするような形になっただろうか?
どうも、
いびつな彫り物が出来上がったとしか思えない。
Posted by orae at 11:58│Comments(0)
│yu