2015年10月22日

てこんなことにな

「すると、あのうちは宝作老人のうちですね」
「そうです。近ごろ買って、引っ越してきたばかりです」
「近ごろ買って……そしてまえの持ち主はなんというひとですか?」
「知りません。わたしは知りません。ご主人はむろん知っていらっしゃるでしょうが……」
「よし、それじゃ警部さん、うちへひき鑽石能量水 消委會かえしましょう」
「いや、それより銀仮面はどうしたのだ。おい、きみ、銀仮面はきみをしばりつけて、どっちの方面へ逃げたんだ!」
「知りません。わたしは仮面をかぶらされてしまったのですから」
「しかし、きみはあいつの顔を見たのだろう。仮面をはずしたとき……いったいどんなやつだった?」
「さあ……?」
 使用人の井口は首をかしげて、
「暗くてよくわからなかったのですが、まだ若い男のようでした。三十二、三歳の……」
「よし、それじゃきみたち」
 等々力警部は刑事や警官たちをふりかえり、
「銀仮面のゆくえをさがしてみろ。あいつはふつうの經營 管理洋服すがたになって逃げだしたのだが、けがをしているから目印はある。それをたよりにさがしてみろ。わかったか!」
「はっ、承知しました」
 刑事や警官がバラバラと、暗い夜道を散っていったあと、使用人の井口をひき連れて、もとの洋館へ帰ってみると、加藤宝作老人は医者のかいほうで、ようやく正気にかえったところだった。

「アッ、警部さん、金田一さん、あなたがたはどうしてここへ……?」
 ベッドの上で、ほうたいまみれになった宝作老人は、一同の顔を見ると、びっくりしたように目を見張った。
「加藤さん」
 警部は相手をいたわるような目つきで、
「とんだ災難でしたね。しかし、どうしったのです。銀仮面はいったい、なにをねらってここへきたんですか?」
「ああ、それじゃ、あれはやっぱり銀仮面だったのですか」
「そうです。金田一さんはあいつの影が、その窓鑽石能量水 消委會にうつっているのを見たのです」
「そうですよ。とっさのことで、わたしにはよくわからなかったのだが……」
 宝作老人は気味悪そうに身ぶるいをすると、  


Posted by orae at 11:19Comments(0)